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さまざまな顔を持つ秋葉原

秋葉原画像①

■多くの人を引き寄せる魅力を持つ街

秋葉原は、東京都千代田区にある秋葉原駅の周辺のことをいい、千代田区の外神田と神田佐久間町、そして台東区の秋葉原周辺を指して呼んでいます。
近代的な高層ビルが建ち並ぶ東京を代表する街で、さまざまな顔を持つのが秋葉原の最大の魅力です。
秋葉原はかつてオタクの街といわれました。
オタクとは、自分の好きなことや興味のあるものに精通するというよりは、過剰なくらいに傾倒しすぎる人に対する呼称で、そんなオタクが喜ぶような品が秋葉原にはたくさんあるのが最大の特徴です。
もともとは家電製品や電子部品、アマチュア無線機などが多く揃う、家電関係の品が好きなマニアックな人が集まる場所としてよく知られていました。

■オタクの内容がどんどん進化

家電の街というイメージだった秋葉原はその後、よりオタク度を高めていきます。
鉄道マニアは日本全国に非常に多いですが、そんな鉄道マニアにとって秋葉原は聖地といえるでしょう。
1990年代後半に秋葉原に店を構えたガレージキットが元祖的存在で、現在に至るまで鉄道模型関係の店は増え続けています。
2006年までは交通博物館がありましたが、現在は閉鎖しており、その代わりに家電量販店やホビーショップが数多く進出してきたことから、購入目的で利用できる店舗が増えたといえます。

秋葉原画像②

■パソコンからジャンク品まで

今や家庭においても1人1台が当たり前となったパソコンですが、1976年にNECが秋葉原においてショールームをオープンさせたことから、パソコン関連の企業や商品を扱う店が増えていきました。
その後、Windows95の爆発的大ヒットにより、パソコンはもちろん、パソコン関連機器の需要も増えたことから、正比例するように店も増え、秋葉原はパソコンの街としての顔も持つようになっていきます。
一方で、もともとオタクの聖地と呼ばれていただけあって、ジャンク品と呼ばれるワケあり品を扱う店もあるのが秋葉原のもう一つの特徴です。
もともと秋葉原は終戦後に闇市が立った場所で、日本に駐留していた米軍が無線機や部品などを多く放出したことから、ジャンク品が増えたという経緯があります。
日本語にすると故障品という意味になりますが、米軍が放出した品だけに、ジャンク品といえども価値を見出す人は多く、今では中古品のパソコンやゲーム機なども加わって、ジャンク品専門店巡りは秋葉原の名物となりました。

■アニメにゲーム関連も秋葉原

そもそもオタクという言葉は、アニメ好きに対してよく用いられていた傾向があり、日本が今のようにクオリティの高いアニメ作品が作れるようになったのは、秋葉原の果たした貢献が大きいといっても過言ではありません。
同人誌が揃い、アニメに関連したゲームも登場するなど、アニメと同人誌、そしてゲームが三位一体となって発展を遂げた結果、よりディープな世界に入り込んで楽しむ人が集まったのも、秋葉原ならではといえます。

■エンタメでも独特の世界を生み出した

エンタメ関係では、なんといっても有名なのがメイド喫茶です。
アニメ要素を現実世界に作り出したという斬新な発想から、日本だけでなく世界中からも多くの人が秋葉原のメイドカフェを訪れるようになりました。
近年では店によってさまざまなコンセプトを作り、独自性でアピールしてお客を呼び込んでいます。
さらに、会いに行けるアイドルというコンセプトで生まれ、今や日本を代表するアイドルグループとなったAKB48が生まれたのも、ここ秋葉原でした。

■築浅賃貸オフィスが増えている

オタクのイメージとはなかなか結び付かないものの、秋葉原は高層ビルが建ち並ぶ都会的な街です。
そのため、秋葉原駅近くにある賃貸オフィスは築浅の物件が多く、厳しい耐震基準をクリアし、より地震対策が強化された建物が見つかります。
また、秋葉原一体にさまざまな店が溢れていることから、賃貸オフィスを提供するビルも1階や2階部分はテナントが入る仕様になっていることが多く、賃貸オフィス物件が商業経済活動の一翼を担っているのが特徴です。
コンビニや飲食店、あるいはショッピングができる店など、テナントとして入っている店は多種多様なため、上階のオフィス部分で仕事をするにあたって、テナントがとても便利になるところもあれば、あまり毎日の仕事には関係しないというところもあります。

■新旧混在型の賃貸オフィス

通りに面したところに立つ賃貸オフィス専用の建物は、外壁にガラスウォールを用いるなど、外観の美しさにもこだわっていて、ハイセンスでエレガントなオフィスは大いに魅力的です。
内装も当然美しく、気分よく仕事ができる環境になるでしょう。
一方で、大通りから1本逸れると、1970年代に建てられた賃貸オフィスビルがあり、こうした建物はいささか時代を感じさせるところもあります。
ただ、竣工年月は古くても、その後リフォームを施してきれいになったところは数多く、賃貸オフィスの需要も高いのが秋葉原の特徴の一つです。

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新丸の内ビル

新丸の内ビルの外観
新丸の内ビルの外観

新丸の内ビルは、千代田区丸の内一丁目にそびえ立つ超高層タワービルディングで、通称「新丸ビル」と呼ばれています。新丸の内ビルは、もともと1952年に建設された新丸の内ビルヂングを建て替えたビルで、丸の内ビルディング、通称丸ビルとは行幸通りを挟んで向かい合わせに位置しています。コンセプトデザインをイギリスのホプキンス・アーキテクツが担当したことでも知られ、黒を基調としたガラス張りのスタイリッシュな外観は、丸の内を行き交う人々の目を惹きつけると共に、周囲の建物や環境とも見事に融合しています。地上38階、地下4階建ての超高層ビルで、地上高は197.6m。敷地面積・建築面積・延床面積は、それぞれ100,21,31㎡・7,613,99㎡・95,489,67㎡です。エントランスを抜けると、近代的かつ開放的なエントランスホールの空間が。モノトーンの中に設置された赤いベンチが印象的です。オフィスゾーンへは専用のゲートを通らないと入れないようになっており、セキュリティ対策も万全の体制が敷かれています。エレベーターは32基を搭載。広大な駐車場の駐車可能台数は370台です。9階から37階までがオフィスフロアで、シティバンク銀行、シティ証券グループをはじめとした一流金融系企業をはじめ、旭硝子、東洋エンジニアリング、日本信号などの大手企業がオフィスを構えています。テナント専用のラウンジが設けられているのも魅力的で、仕事の合間の憩いのスペースとして利用されています。さらに、テナント企業のみが利用できるフィットネス施設やカフェも完備されており、快適なオフィスライフを徹底サポート。ビル内の会議室は、大・小様々なタイプがあり、利用人数によって使い分けられるようになっています。ロッカールームも完備されているので、荷物をオフィス内に持ち込む必要がないのも便利でしょう。地下1階から7階までは商業施設で、地下1階から4階までがショッピングフロア、5階から7階までがレストランフロアとして利用されています。物販店113店舗、飲食店40店舗とかなり充実しているので、お昼休みのランチはビルの外に出ずに済ませることができるほか、アフターファイブの食事や買い物も手軽に楽しめるでしょう。10階には、「EGG JAPAN」と呼ばれるベンチャー企業のビジネスの発展を支援する拠点があり、ビジネス開発オフィスとビジネスクラブ「東京21ⅽクラブ」から構成されています。日本でも有数のビジネス街、丸の内エリアのランドマークとして佇む新丸の内ビル。歴史深い環境の中、新たなビジネスの発信場所という役目も担いつつ、今後さらに発展を遂げていくことは間違いないでしょう。

秋葉原ダイビル

秋葉原ダイビルの外観
秋葉原ダイビルの外観

秋葉原ダイビルは、2005年3月に竣工した地上31階、地下2階建ての超高層タワービルで、秋葉原エリアのランドマークとも言える存在です。地上部は制振装置付きの鉄骨造り、地下部は鉄骨鉄筋コンクリート造りになっています。敷地面積4,181,00㎡、延床面積50,289,59㎡の広さを持ち、基準階床面積は、高層階で1,499,93㎡、低層階では1,447,84㎡を誇ります。複合施設である秋葉原クロスフィールドの産学連携機能を担うことでも知られ、歩行者デッキのアキハバラブリッジによって秋葉原UDXと連結しています。112台が駐車可能な地下1階の機械式駐車場は、2007年「第3回日本ベストパーキング賞」を受賞しました。1階、2階にはカフェが入居していますが、2階のカフェに隣接して、ものづくりやIT最新技術が体験できる「学びと創造の場」がフリースペースとして設置されています。さらに2階には、収容人数450人を誇る多目的ホール、「秋葉原コンベンションホール」も完備。分割での使用も可能で、講演会やシンポジウム、各種イベントに使用されています。5階から15階にかけては、秋葉原クロスフィールドの産学連携機能を担うアキバテクノクラブがセミナーや打ち合わせ等の活動を行うフロアとして利用され、一般の使用はできなくなっています。さらに、5階には、5つの会議室から構成されたカンファレンスフロアも設けられ、小規模な打ち合わせからプレゼンテーションまで様々な用途で活用されています。16階から30階は著名な企業が多数入居するオフィスフロア。メインテナントである日立製作所のほか、セキスイハウスやフジキン、マルト食品等が入居中です。このように、一流企業の事業拠点でもある秋葉原ダイビルですが、停電時でも25VA/m2分の電源を約72時間供給できるビル用非常発電機を導入し、大地震などの災害に備えています。さらに、最先端の情報通信インフラも完備されており、安全で快適なオフィス空間が具現化されていると言えるでしょう。また、見ためも美しいLow-E複層ガラスによるカーテンウォールをビル全面に採用することで、断熱効果を高く保っているほか、電気とガスを熱源として併用、大温度差方式による送水・送風システムの導入により、地球にやさしい省エネとCO2削減を実現。これによって第21回空気調和・衛生工学会振興賞を受賞したことでも知られています。都心のオフィスビルとしての機能のみならず、産学連携を担う秋葉原ダイビルは、情報の発信地、そして様々な人々の交流の拠点としての役割も持っています。今後、秋葉原ダイビルのような新しいタイプのオフィスビルが増えてくるかもしれません。

関東大震災は発生するのか

東日本大震災以降、以前よりも日本各地で地震が増えていると言われています。それは、震災以降、日本列島周辺の地下の応力バランスが変化したためだと考えられており、首都直下型地震や東海地震がいつ発生しても不思議ではないというのが現状です。
また、政府は30年以内に南関東でマグニチュード7クラスの地震が発生する確率は70%に及ぶとも想定しており、特に東京湾北部を震源とした震度6強の首都直下型地震が発生した場合、死者は1万1千人、建物の全壊や消失は85万棟、経済被害は112兆円にも及ぶと予測しています。
さらに、東京大学地震研究所の発表では、この東京湾北部地震が発生した場合の最大震度は、従来、予測されてきた震度6強をさらに上回った震度7になると予想されています。これは、震源となる可能性のあるフィリピン海プレートの上面の深さが今までの予測よりも10キロメートル程浅い場所にあることが発見され、その分揺れが大きくなるためだと説明がされました。
東日本大震災では、多くの帰宅難民が発生しましたが、今後首都直下型地震が起きた場合の帰宅困難者は517万人にも達するのではないかと言われており、企業側の対応も問われています。東日本大震災の際には、地震発生後すぐに社員に帰宅を促した会社が多かったようですが、交通機関の不通などにより、地震発生当日のうちに、自宅に帰り着くことができない帰宅困難者が東京都だけで約352万人に上ったと言われています。そのため、今後の対応は「地震発生後すぐに帰宅する」というものから「発生後しばらくの間はオフィス内にとどまって様子を見る」方向に修正されているようです。
このような動きの中で、企業のBCPが進められています。BCPとは、事業継続計画のことで、自然災害やテロなどが発生した際、企業が損害を最小限に抑えると同時に、核となる事業をそのまま継続し、なおかつ早急に復旧できるように日頃から行う活動や緊急時の行動をまとめた計画のことです。森ビルの調査では、オフィスを東京23区内に構える大企業のうちの半数以上が既にBCPを策定していることがわかりました。中でも、保険・金融業はBCPの策定が進んでいる企業が多く、日本銀行や日本取引所グループでは、東京と大阪の2ヶ所にシステムセンターを置くことで、どちらかが被害を受けても、もう一方が機能するような対先を取っています。その他の一般企業でも、東京以外にも拠点を移すなどしてリスクを分散する体制が取られている会社が多く見られます。
さらに、大地震発生時の避難者の受け入れ体制を整えている企業も増えてきており、食料品の備蓄を実施したり、最近では災害時を想定した温泉施設を併設した複合ビルの建設もされています。さらに、2013年には三井不動産が今後開発されるオフィスビルについて、地震発生時の事業継続や館内待機に必要な環境や設備を整え防災機能の向上を図ることを目的とした「オフィスビル設計指針」を発表しました。具体的には、72時間対応の非常用発電機の標準装備、停電時や上下水道が止まった時でもトイレを使用できるようにすることなどが挙げられています。
また、その他に重視されているのは通信システムの確保です。光回線の専用線を導入したり、大地震発生などの非常事態にも衛星携帯電話や専用線電話、IP電話などの一般回線に依存しない通信ネットワークを使えるように整備しました。
2014年に竣工した京橋トラストタワーは、オフィスをはじめ、ホテルや商業施設から構成された複合施設ですが、一般的な超高層ビルの約1.5倍の耐震性能を持つハイブリッド制振構造を持つことで知られています。さらに、京橋トラストタワーの防災面の大きな特徴は、強力な自家発電能力を有することで、非常用発電機を導入し、停電しても約1週間は事業継続ができるように万全の体制が備えられています。また、敷地内に防災用の仮設トイレを3箇所設置し、地震発生時に帰宅難民達が一時避難できる場所としても想定されています。
京橋トラストタワーを建設した森トラストグループは、さらに各ビルが単体で行うBCPのみではなくグループが運営する90もの施設がお互いに連携して支援し合う「グリッド型BCP」という体制も導入しています。他に、地震発生後にビルやインフラ設備を迅速に復旧することが不可欠である建設会社でもBCPの確立が着々と行われており、地震が発生したという想定の下で大規模な訓練が行われています。
いつ東京湾北部地震や東海地震等の関東大震災が発生するのかは誰にも分かりません。しかし、東日本大震災が起こったことで、人々の危機意識が高まったことは事実でしょう。震度7の地震が発生した場合は、震度6強の地震以上の被害となることは必至であり、各家庭はもちろん、日本経済を支える人材を有する企業側もBCPを強化するなどの防災対策が求められています。自然災害を避けて通ることはできませんが、いつ起きるか分からない大地震に備え、できるだけ被害が少なくて済むように、防災対策を整えていくことが今後さらに重要視されてくるでしょう。

関東大震災(大正12年)の震度分布
関東大震災(大正12年)の震度分布