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民泊ってなんだろう

昨今、話題の民泊とは、民家に泊まることの総称を言います。つまり、友人の家に泊まったり、旅先で民家に泊めてもらうことなども民泊に入ります。
一方、耳に馴染みのある民宿とはどのようなサービスなのでしょうか。民宿は、一般的に簡易宿所営業の許可を取得していることが多く、元々は農家や漁業を営んでいる一家が副業として、自宅の一部を貸し出してお客を泊めていました。そのため、民宿は旅館などと比べると規模も小さい代わりに、安い料金で宿泊することができ、旅行客などに重宝されています。民宿は、旅館業法の規制も受けていますし、あくまで営利目的での使用となります。
一方、最近話題となっている民泊でも、泊めてもらった側が謝礼を支払うケースもあるでしょう。この場合には、泊めた側が営業行為をしていなければ、謝礼を受け取ったとしても問題はありません。
しかしながら、最近では、営業をして、有料で旅行者などを受け入れるいわゆる民泊ビジネスが増えてきています。これは、近年、日本への外国人観光客が増えているのにもかかわらず、宿泊施設が不足していることが原因となっているようです。
平成21年に3億人前後だった日本国内の宿泊者数は、平成26年の段階で4億7000万人に達し、平成27年中もその増加は止まりませんでした。宿泊者の中の外国人観光客の割合も増え続けています。
人気の観光地や都市部のホテルでは、宿泊料金も上昇傾向で稼働率もアップしており、利用しづらい状況が続いているのです。さらに、2020年の東京オリンピックに向けて、ますます外国人観光客が増えることが予想されるため、宿泊施設の不足という問題は今後も続いてくのではないかと考えられます。
そんな中、アメリカに本社がある「Airbnb」という個人宅宿泊のネット仲介サービスも日本にも進出してきています。このサービスでは、集客を「Airbnb」が行います。そのため、貸主は安価な手数料を支払うのみで済む上、旅行客に間貸しする部屋も、賃貸した物件を転貸しすれば所有しておくのに必要なコストもかかりません。これは、民泊の新しいビジネスモデルとしても話題になっています。確かに、貸す側にとっては低コストで宿泊料金をもらうことができますし、外国人観光客にとってもホテルに泊まるよりもずっと宿泊料を抑えられるので、お互いにとってメリットがあると言えるでしょう。
ただし、本来、営業をして宿泊客を集め、宿泊料を受け取るのであれば、旅館業法の許可が必要となります。つまり、今の民泊サービスは違法の状態にあると言えなくもないのです。

民泊の仕組み
民泊の仕組み

こうした状況を受けて、東京オリンピック開催を前に、観光国としてさらに自国の収益を上げたいと考えている政府は、平成27年に民泊の規制緩和を検討することを発表しました。平成28年中には、結論を出すとされており、動向が注目されています。
ただし、民泊サービスは、違法性以外にもさまざまな問題点を抱えていると言えそうです。まずは、間貸しする物件の近隣に住む人達の問題があります。同じマンション内で、見ず知らずの人が激しく入れ替わると、何か事件が起きるのではないかという不安も出てくるかもしれません。また、間貸しした部屋で犯罪に繋がる行為が行われないとは言い切れません。「Airbnb」を利用した民泊サービスは、あくまでもインターネット上でのやり取りでお互いの顔が見えない世界です。信頼感を持って部屋を貸しづらいのは事実でしょう。実際に今までにも、事故等が起きたケースもあり、こうした不安は近隣住民にとっては拭い去れないものと思われます。また、これとは別のケースで、2015年には、東京と山形の業者が京都のマンションを借り上げて、中国人旅行者へ莫大な金額で転貸ししていたことが発覚し、事件となりました。
このように、問題点も多い民泊ではありますが、前述した通り2020年の東京オリンピックを控え、日本を観光立国にしたい政府は、規制緩和を検討しています。さらに、こうした民泊サービスを取り締まるのではなく、受け入れる方向に進んでいるのではないかとも見られています。このような動きは、実は既に始まっており、羽田空港のある大田区は、国家戦略特区に指定されていることを踏まえ、民泊を2016年1月より始める計画が公表しています。これは規制緩和によるもので、関西国際空港が近い大阪市でも、大田区に先んじて民泊条例が可決しました。
ただし、これらの戦略特区であっても、実施上での条件は色々と決められており、無制限に民泊が認められるようになるという訳ではなさそうです。まず宿泊日数も7~10泊以上とされており、実際に観光客が宿泊するであろう1~3泊とは折り合わないため、失策だとの見方も出てきています。
このように、問題点の尽きない民泊ですが、日本経済にとってメリットも大きいため、悩ましいサービスでもあります。2016年のうちには、今後の民泊のあり方もある程度決まってくると考えられますので、その動向にはさらに注目が集まるでしょう。

賃貸オフィス市場2015年12月

東京のオフィスビルの賃貸市場動向
東京のオフィスビルの賃貸市場動向

2015年現在、オフィスビルの空室率は減少を続けています。その要因としては、大型オフィスビルや新築ビルの募集面積が減少傾向にあることが考えられます。オフィスを探す企業側としては、物件を探しづらくなっており、小・中規模ビルや既存のオフィスビルを複数一括で賃貸したり、立地や設備面で劣る物件であっても契約をするケースが増えてきているのが現状です。大型ビルが新築される予定も多くはなく、しばらくはこの状態が続くのではないかとの見通しが立っています。
丸の内や大手町等のオフィス街では、この空室率低下の傾向はさらに強まっています。2015年の丸の内・大手町エリアの空室率は2%下回るとも言われており、それと反比例するように、東京都心の物件の賃料は上昇傾向にあります。これは、郊外から都心部にオフィスを移す企業が増えていることとも関係しているでしょう。極端に賃料が上がっているのは、都心の一部のオフィスビルに限定されるのも事実ですが、2020年の東京オリンピック開催に向けて、さらなる賃料の上昇を予想する見方も出てきています。オリンピック開催の決定により、東京の土地の評価はさらに上がっていくでしょう。さらに、政府が法人税の減税を検討していることや都内を中心としたインフラ整備が進むことも相まって、外資系の企業が今以上に東京に進出してくることも考えられます。外資系企業の特徴として、丸の内・山の手エリアをオフィスの場所として好む傾向があることから、都心部の物件はさらなる競合を迎えることになりそうです。
2017年4月に消費税がさらに10%に引き上げられることも決定しているため、オフィスの移転は早めに物件の見当を付けて動くことが鍵となるでしょう。
オフィスの空室率が下がっているとはいえ、好条件の物件はすぐに契約が決まってしまい、条件が立地面、設備面等で劣る物件はいつまでもテナントが決まらないというのも現状です。こうした二極化を避けるためにも、条件に難のある物件はリフォームや耐震補強などをしっかりとすることが求められています。
オフィスの探し方としては、インターネットを利用する方法が最も需要が多く、条件の良い物件程、早く契約になってしまうため、ニーズを明確にし迅速に行動することがより良い事務所に巡り合う良い方法ではないでしょうか。