秋葉原ダイビル

秋葉原ダイビルの外観
秋葉原ダイビルの外観

秋葉原ダイビルは、2005年3月に竣工した地上31階、地下2階建ての超高層タワービルで、秋葉原エリアのランドマークとも言える存在です。地上部は制振装置付きの鉄骨造り、地下部は鉄骨鉄筋コンクリート造りになっています。敷地面積4,181,00㎡、延床面積50,289,59㎡の広さを持ち、基準階床面積は、高層階で1,499,93㎡、低層階では1,447,84㎡を誇ります。複合施設である秋葉原クロスフィールドの産学連携機能を担うことでも知られ、歩行者デッキのアキハバラブリッジによって秋葉原UDXと連結しています。112台が駐車可能な地下1階の機械式駐車場は、2007年「第3回日本ベストパーキング賞」を受賞しました。1階、2階にはカフェが入居していますが、2階のカフェに隣接して、ものづくりやIT最新技術が体験できる「学びと創造の場」がフリースペースとして設置されています。さらに2階には、収容人数450人を誇る多目的ホール、「秋葉原コンベンションホール」も完備。分割での使用も可能で、講演会やシンポジウム、各種イベントに使用されています。5階から15階にかけては、秋葉原クロスフィールドの産学連携機能を担うアキバテクノクラブがセミナーや打ち合わせ等の活動を行うフロアとして利用され、一般の使用はできなくなっています。さらに、5階には、5つの会議室から構成されたカンファレンスフロアも設けられ、小規模な打ち合わせからプレゼンテーションまで様々な用途で活用されています。16階から30階は著名な企業が多数入居するオフィスフロア。メインテナントである日立製作所のほか、セキスイハウスやフジキン、マルト食品等が入居中です。このように、一流企業の事業拠点でもある秋葉原ダイビルですが、停電時でも25VA/m2分の電源を約72時間供給できるビル用非常発電機を導入し、大地震などの災害に備えています。さらに、最先端の情報通信インフラも完備されており、安全で快適なオフィス空間が具現化されていると言えるでしょう。また、見ためも美しいLow-E複層ガラスによるカーテンウォールをビル全面に採用することで、断熱効果を高く保っているほか、電気とガスを熱源として併用、大温度差方式による送水・送風システムの導入により、地球にやさしい省エネとCO2削減を実現。これによって第21回空気調和・衛生工学会振興賞を受賞したことでも知られています。都心のオフィスビルとしての機能のみならず、産学連携を担う秋葉原ダイビルは、情報の発信地、そして様々な人々の交流の拠点としての役割も持っています。今後、秋葉原ダイビルのような新しいタイプのオフィスビルが増えてくるかもしれません。

地球温暖化について

20世紀の半ば頃より、地球全体の気温が上昇傾向にあり、これを地球温暖化と呼んでいます。この地球温暖化の原因は、人間が産業活動をする上で排出する温室効果ガスが原因となっているという説が有力です。地球の大気中には、水蒸気の他に二酸化炭素やメタン等の温室効果ガスが含まれています。太陽の光は、地球上の大気を素通りして地面を温めます。そして、地表から放出される熱を温室効果ガスが取り込んで大気を温めているのです。過去100万年の間に、地球は氷河期と呼ばれる寒冷な期間と温暖な期間を幾度か繰り返してきました。IPCCの知見では、最後の氷河期から産業革命までに、約3~8℃平均気温の差が生じたとしていますが、この間には約10万年の時が流れています。それと比較すると、産業革命以降の地球の気温の上昇率は高く、かつ急速で、昨今の温暖化問題と人間が行う産業活動は決して無関係ではないと考えられます。産業活動が活発化すると、二酸化炭素、メタン、フロンなどの温室効果ガスが大量に排出されます。大気中のこれらの濃度が高まると、地表から放出される熱の吸収量も増加し、気温が上昇していくのです。IPCC第4次評価報告書によると、地球温暖化に影響を与える温室効果ガスのうちの76.7%が二酸化炭素であるとされています。二酸化炭素は、石油、石炭、化学燃料が燃える時に排出される物質であるため、やはり最近50年間の気温の上昇は、人間が引き起こしていると考えられるでしょう。現在の地球表面の大気や海洋の平均温度は、1900年頃に比べて0.75℃上がっていると言われています。さらに、人間が現在と同じように産業活動を続けた場合、100年後には4℃前後気温が上昇するのではないかと予測されています。しかし、地球の温度が上昇すると、様々な問題を引き起こすことが懸念されます。例えば、大気や海洋の温度が上がると、氷河が溶け、海水が膨張します。事実、過去100年間の間に海面が19センチメートル上昇しました。南太平洋を中心とした島国では、浸水が進んで海岸線が陸地にまで入り込み、国土全体が海の中に沈んでしまう危険にさらされている国もあります。他にも、洪水や異常気象による災害の増加など、温暖化による沢山のリスクが考えられます。また、地球温暖化は生物の生態系にも大きな影響を及ぼすと言われています。現在でも、北極、南極などの寒冷地に生息するホッキョクグマ等の動物たちは、温暖化が一因となって絶滅の危機に瀕しています。

地球温暖化の影響を受けるホッキョクグマ
地球温暖化の影響を受けるホッキョクグマ

さらに、温暖化により大気だけでなく海洋の温度も上昇するため、水温の変化に弱いサンゴ等は死滅するのではないかとも言われています。このように、地球上の人間、生き物に多大なる影響をもたらす温暖化ですが、日本にはどのような影響を与えるのでしょうか。20世紀の100年間で日本の平均気温は約1℃上昇しています。ただし、東京での上昇は約2.9℃とも言われ、ヒートアイランド現象が進んでいることも指摘されています。これに伴い、近年では真夏日や熱帯日が増加傾向にあり、夏になると熱中症患者のニュースが後を絶ちません。また地域によっては、集中豪雨と呼ばれる大雨が増加しており、土砂災害などの被害も多発しています。日本では、地球温暖化問題への対処として2020年までに温室効果ガスの排出量を25%削減することを目標に掲げ、さらに2050年までには80%の削減を目指すことを表明しています。そのような中、オフィスビルや商業施設の開発、賃貸、運営、さらにマンション・戸建て住宅の開発、分譲に携わる不動産業界は、二酸化炭素の排出に大きな関わりを持っている業界だと言えるでしょう。日本全体の二酸化炭素排出量のうちの3分の1を不動産分野が占めているとも言われています。そのため、今後、不動産業界が地球温暖化への何らかの対策を取っていくことは必須となってきます。オフィスビル業務では、地球温暖化問題に関して、貸主であるビルのオーナーと賃貸人のどちらか一方に義務や責任を負わせることがないよう不動産業者が間に入って調整していく必要があるでしょう。さらに、オフィスビルにおいては、中古ビルと省エネ・省CO₂対策の強化された新築ビルとでは、温室効果ガスの排出量に大きな差があるのが事実です。そのため、温暖化対策の整った事業所に対しては何らかの優遇措置を取るなどの配慮が必要になっています。実際に、東京都では、2010年4月より地球温暖化対策として、大規模な事業所に向けて「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」がスタートし、二酸化炭素排出量の削減が義務づけられました。具体的には基準の二酸化炭素排出量から8%の削減が求められており、自主的な削減が叶わず、削減義務が果たせなかった事業所に対しては、罰金や違反事実の公表等の罰則もあるようです。こうした背景には、地球温暖化が地球規模で深刻化している現状があります。各事業所だけでなく、地球に生きる一人一人が未来のことを考え、地球温暖化への対策を遂行していく必要性が高まっているのではないでしょうか。